夢日記 4月11日

前回見た夢もそうだったけど、また大勢で人が集まってパーティー的なことをする夢を見た。

人恋しいのだろか。

前はちょっぴし怖い夢だったけど、今日は怖くなかった。意味はわからなかった。

大学の卒業パーティーのようだった。でも中学時代の友人もいた。大学の卒業パーティーってふつう、学科ごとにやると思うのだけど、全学部全生徒でやっていた。

とてつもなく広く、綺麗だけど殺風景な空間に、ドレスコードした若者が集まっていた。壁だけ、飾りとして綺麗な芸術作品がディスプレイされていて、盗難防止かいたずら防止なのか、ガラスで閉じていた。ネジ?は特別な留め具でできていたが、何名かの男女が無理やりこじ開けようとしていた。

話しかけたわけではないが、彼らのそばを通ると、「工学部にバラせないものはない」と言っていた(夢とはいえども、我ながら工学部生に随分低俗なことを言わせてしまったなと反省している)

 

僕はひとりで歩いていて、友人を見つける度に積極的に話しかけ、語り合ったあとはまたひとり離れて次に語り合うべき友人を探して歩き回っていた。みんなは特定のグループで固まっていて、僕の寂しい人間っぷりを感じた。

 

途中で、サークルの後輩に会った。夢の中ではほとんど話したことのない、随分下の学年の女の子だった(現実にはいない子だったと思う)。ほとんど話したことはないが、サークルで顔と名前は知ってるので話しかけた。彼女はもちろん卒業しないが、先輩達にお別れを言いに来たと言った。彼女以外にも、何名かそういう下級生はいた。

 

彼女もひとりだったので、しばらく話しながら一緒に会場を歩いた。壁の芸術作品を見ながら、彼女は「きれい」とうっとりしていた。

余談だが僕は大学生時代、映画を観たり作ったりするサークルに所属していた。彼女は芸術作品を見て、「わたし、こういうの撮りたかったんです」と言った。

「この作品をうつすの?」と聞いたら、「そうじゃなくて、この作品の雰囲気のような感じの映像を」と言われた。そりゃそうだ。

「私の場合、ストーリーは二の次なんですけど、映像として美しい、キラキラしたものを撮りたいんです」と言っていた。僕もだいたいそういうタイプだったので、わかるよとだけ言った。でも、ストーリーがないと映画は面白くないということにも、もう気づいていた。

いつの間にか僕はその子と手を繋いで歩いていた。

 

2人で手を繋ぎながら、どうでもいい話や映画の話をしながら壁際をゆっくり歩いていたけど、目の前に階段があり、階段の真ん中あたりに父親が座っているのに気づいた。

僕はこの女の子と手を繋いでいるところを父に見られるのが恥ずかしいと思った。その瞬間にはもうその女の子は消えていた。僕はそのことを気にも止めずに、階段を上がって父の隣まで行った。

僕がもう帰るから、迎えに来てもらうために父を呼んだということになっていた。階段は外に通じる階段だった。

父は携帯電話を見て難しい顔をしながらも僕に気づき、「もう帰るのか、まだ8時だよ」と聞いた。

うん、帰る。と言ったら、父は苦笑いして、「〇〇(妹)にも、バイト終わったら迎えに来てと頼まれてるんだけど、〇〇のバイトは11時に終わるって。お前もそれくらいに帰るかと思って、いいよと言ってしまった」と言った。

妹のバイト先は会場から近い飲食店だった。家は結構遠い。妹を待って一緒に帰ったほうが、父は負担ではないだろう。僕はいつの間にか帰りたい気持ちになっていたけど、そういう事情なら仕方ないのでもう少しいようかなと思った。

じゃあもうちょっとぶらぶらしてくるから、と父を残して階段をおりた。

 

3時間ほど時間を潰さないといけないはずなんだけど、僕は階段から近いところをぐるっと回っただけでまたすぐに父のところに戻ってしまった。かなり帰りたかった。

戻ると、父は僕の友人に囲まれていた。「やしちのお父さんですよね、」とか言われて。全員女の子だった(しかもあまり遊ばないタイプの、派手めな)

僕はその空間に行くのを少しためらったけど、父の近くに行き、座った。父は若い女の子たちに囲まれて、少し嬉しそうにしていた。友人たちはドリンクを持っていたし、ドレスだし、ちょっとキャバクラじみた光景に動揺して、座ったはいいものの僕は落ち着かなかった。女友達は、卒業するっていうもんだから、父から社会のことを聞いていた。会社勤めってどうですか、大変ですよね、えー!?課長なんですか?すごーい、みたいな。父は得意げに社会の厳しさを語っていた。下心は無さそうで、単純に若い女の子に褒められて嬉しいようだった。

僕はそんな父を見ながら黙っていた。女友達がたまに僕にも話しかけたけど、うん、とかしか言わなかった。

父の仕事の話は、僕が聞いていても面白かった。今まで自分の父親の仕事の話をじっくりと聞いたことはなかった。あれに苦労してる、これを努力している、自分がこう改善した、ここにやりがいがある……と聞いていると、父が立派な人のように思えた。

 

しばらくすると、父の携帯電話のメール音が鳴った。妹のバイトが終わったらしい。そしたら3時間もこういう会話をしていたことになるが、夢の中なので時間感覚は適当だった。

父は、妹を迎えにいくから待ってろと僕に言って、階段をのぼった。入れ違いで、サークルの先輩が来た。先輩は卒業していたが、例のサークルの後輩同様、卒業する僕たちにお祝いを言いに来たのだ。(彼は、後輩女子と違い現実に存在する先輩だった)

先輩は男性だったが、何故かエメラルドグリーンの、胸元が大きめに開いたドレスを着ていたので笑ってしまった。元々線の細い、顔もキレイめな人だったので、似合わなくはなかった(でもまあ普通に肩や胸元に柔らかさはない)

 

まわりにいた女友達はみんなサークル外の友人だったので、先輩はとりあえず僕にだけ話しかけた。オタク系?というか少し地味系のわりに、フェミニストを演じている人なので、「可愛い女の子がたくさんだね~」みたいなことを言いながら、僕の隣ではなく他の女友達の隣に座った。

「何してたの?」と先輩が言うと、女友達が「やしちのお父さんがいてぇ、社会のお話聞いてました~」と言った。みんな、先輩のドレス姿にクスクス笑っている。

現実でもそうなのだけど、先輩は僕の父と面識がある。なので、「えっ!やしちのお父さん来てたの!?」と、ギョッとした顔をして身を伏せ、キョロキョロした。まあこんな格好してるし、見られたくもないだろう。

身を伏せた時に、先輩のドレスがたゆんで胸が見えた。今度は僕がギョッとしたのだけど、先輩にはおっぱいがあった(ちなみにノーブラだった)

「先輩、お、おっぱいがついてますよ」と僕は焦りながら言った。そう言われて先輩も焦ってしまって、「は、はぁ?お、おおおおっぱいなんて無いよ」と言って、姿勢を正した。「俺におっぱいついてるわけないだろ」と言いながらも慌てていて、「ほかの後輩探してくるね」といそいそと立ち上がり、階段を降りていった。何だったんだろう。

 

先輩が去った後、女友達がちらほらと散らばっていって、少人数の女の子だけが残った。僕とよく話すほうの子だけが残ったので、僕は安心して友人たちと会話をした。

話してる途中で友人のひとりが、「あっ」と上のほうを見たので、つられて階段の上のほうを見ると、同じ学科の女友達が、おそらく彼女の父親?と並んで何かをしていた。

女友達も彼女の父親らしき中年男性も、ドラキュラのような格好をしていた。ふたりとも、タキシードにマントをはおり金色の蝶ネクタイをしていて、よくよく見たら口に牙がある。

ふたりはマントを羽ばたかせ、飛ぶ練習をしていた。父親は飛べるが、女友達は飛べていなかった。

僕達は階段を上がり、ドラキュラの格好をした女友達に、「何やってるの?」と聞いた。

彼女の話を聞くと、彼女は卒業後、父の家業を継ぐので、いま父から仕事のやり方を教わっていると言った。なんの仕事かはハッキリ言わなかったけど、まあだいたい察した。どうして今なのかはわからなかったけど、まあ…こんなに人が集まってる時だし、と何となく察した。

 

女友達たちはあまり疑問を感じなかったようで、「やしちのお父さんからも仕事の話聞いてたんだ。〇〇はお父さんの仕事継ぐんだ?もう練習してるんだね、すごいね」「私なんて就活失敗したからしばらくフリーターで~」とか何とか言っていた。

話してる途中で、会場の外からワイバーンのような、翼の生えた悪魔が入ってきた(意味がわからない)

僕らのいた階段の上は入口付近だった。僕たちは突然の悪魔の登場にパニックした。

悪魔は僕らには目もくれず、階段の下の方に向かって飛んでいった。下には人がたくさんいる。ほどなくして、人々の悲鳴が聞こえた。

 

僕はここでようやく、地下のほうに恋人がいることを思い出した。父親が迎えにくるはずなんだけど、「恋人と一緒に帰る約束をしていて、恋人が地下駐車場で待っていたんだった!」と思い出した。

 

悪魔が下に降りていったので、恋人が心配だった。地下駐車場は、人々が集まってパーティーしているフロアのさらに2階下にある。

この建物は階段しかなく、僕は悪魔が降りていった階段をそのまま降りていくしかなかった。

パーティーフロアは大荒れに荒れていて、さっきの悪魔が一匹、天井近くを飛び回りながら時々おりてきては人を襲っていた。

僕はそんな様子をほっといて、さらに2階下まで階段を降りた。

地下駐車場に出る出口の自動ドアの前で、壁にもたれかかって恋人はスマホゲームをしていた。上のフロアの騒動には気づいてないみたいだった。

「いつから待ってた?」と聞くと、「けっこう前」と言われた。「暇だったから、ひとつ上の階のショップで、お前に似合いそうな靴を買っておいた」と言って、恋人はショップ袋を僕に渡した。

気づいたら僕は裸足だった。僕はすぐに袋を開け、買ってもらった靴をはいた。壁に埋め込まれてるタイプの鏡があったので、靴を履いたあとに鏡を見てみた。なぜだかわからないけど僕は、サークルの男の先輩が来ていたのとまったく同じ、エメラルドグリーンのドレスを着ていた。買ってもらった靴は、低めのヒールの、銀色のパンプスだった。

「???」と思ったが、恋人が「もう帰ろう」と言って駐車場に向かったので、そのままついていった。

恋人の車に乗り、僕は父に、もう迎えに来なくて大丈夫だからと電話した。

地下駐車場から車を出し、建物をあとにする。僕は助手席だったので、窓を開けて振り返ると、会場からたくさんの人が慌てたようにワラワラと出てきていた。悪魔も会場から出てきて、出口に飛び出していく人々を襲っていた。

恋人は運転して前を向いているので最後まで気がつかなかった。

 

僕は前に向き直って、恋人に、「どうして銀色の靴なんて買ったの。派手だよ」と言った。恋人は、「悪魔みたいな色でいい感じじゃん?」と笑った。

さっきの悪魔は、確かに、グレーに近い銀色をしていた。